私は3年間、あるカルト宗教団体に所属していました。
そのときの壮絶な体験記はこちらで読めます。
家族の反対も聞き入れず、否定してくる友達はほぼ全員縁を切って、気づけば会の人間関係がすべてでした。
今、あなたの大切な人がカルト宗教にハマってしまっていて、なんとか助け出したいと悩んでいると思います。
そんなときにどうすればいいのか、できるだけ詳しく書いていこうと思います。
ぜひ最後まで読んでみてください。
-教えを否定する人は地獄行き-
まず絶対にやってはいけないことは、その宗教を否定することです。
私がいたところでは教えを否定する人たちは「群賊」「悪獣」「悪知識」と呼ばれ、関わったら教えをそしった罪で地獄に堕ちると教えられていました。
実際に私も否定してくる人は遠ざけてきたし、家族だったら隠し事をして本音を言わなくなりました。
なのでもし大切な人を救出したいなら、絶対に教えや組織のことを否定しないでください。
一度宗教を否定されると何重にもバリアを張って、あなたとは話さなくなるか嘘をつくようになってしまいます。
なので否定は絶対にしないでください。
「あの教祖は豪遊三昧で腹黒い」とか、「ここの教義が間違っている。そんなの信じてても救われない」とかはNGワードです。
じゃあ肯定しなきゃいけないのかというと、そういうわけでもありません。
肯定するとより宗教への確信が強まって修正不能になってしまうので、あくまで中立の立場を取るのがベストです。
「そういう考えもあるんだね」みたいな。
ただ、組織のことや教義のことを理解しようという姿勢は持ってください。
肯定はしてくれなくても、理解してくれようとしてくれるだけで信じてる人にとってはうれしいんです。
思えば教団の中にしか理解者がいないからその中に閉じこもって心を固く閉ざしてしまうのであって、教団の外にも理解者がいれば宗教から出てこれる確率は跳ね上がります。
私もそうでした。
学校が嫌になって家族との関係も悪くなって、生きてる意味すらわからなくなったときに出会ったのが宗教でした。
そこでは講師の人たちが私のことをいつも褒めてくれて、いつも優しくしてくれました。
対照的に、家族や友達に本音で話せる人はいませんでした。
だからどんどんのめり込んでいったんだと思います。
なので、教団のことが理解できなくてもとにかくその人にとっての「居場所」をつくること。
その人の存在を無条件で認めてくれて、心から本音が言える居場所。
それがあれば脱会までの道のりはそう遠くはありません。半分まで来たといってもいいと思います。
-「生きる意味」がほしくて宗教に入る-
次に考えるべきことは、その人がなぜ宗教に入ったのかということです。
「騙されて入ったんだ」と言う人もいると思います。
たしかに偽装勧誘で人を騙して入信させたり、強引なやり方で入会させる宗教もあります。
でも事実、その人は宗教を大切な心の拠り所として生きています。
なんでそうなったかというと、宗教を信じていれば「生きる意味」が与えられるからです。
心の奥底でぼんやりとした虚しさや生きてる意味がわからない虚無感、別に今死んでもいいやと投げやりな気持ちを抱えている人は多くいます。
どこを探しても「生きる意味」が見つからず、どうせ自分はいつか死んでいくという寂しい現実。
そのとき「生きる意味はこれだ!」と明確に宣言してくれる宗教に出会うと、驚くほど感動して「自分はこれで救われた」となってしまうのです。
なのでもしあなたが大切な人からむりやり宗教を取り上げたとしたら、その人は生きる意味を求めて別の宗教に入るか、自ら死を選ぶと思います。
宗教に入っている状態というのは、ものすごい強い虚無感に蓋をして見えなくさせているようなものです。
私のいたところでは、生きている間に「絶対の幸福」というものすごい体験をすることこそが生きる意味であり人生の目的だと教えられていました。
それを信じている間は虚しい感情はなく、毎日がとても充実していました。
「自分こそが生きる意味を知った幸せ者だ」と思って、他の人にも勧誘していました。
なのでもしむりやり生きる意味を奪ってしまったら、錯乱してもっとひどいことになってしまうかもしれません。
絶対にむりやり宗教を奪うようなことはやめてください。
どうして宗教によりかからざるを得なくなったのか、その根本原因を話し合って見つけ出して折り合っていくしかないと思います。
私の経験からいっても、絶対的な「生きる意味」を捨てて、自分で生きる意味を探し出すのはとても苦しくて逃げ出したくなる道のりです。
宗教を信じている間は向き合わないで済んだ人生の虚しさ、虚無感や無力感に向き合わないといけないので。
そんなときに自分の苦しみや悩みを理解してくれて、「宗教を抜けてもやっていけるよ。大丈夫だよ。私がそばにいるよ」と言ってくれる人がいたなら、その人は救われた気持ちになると思います。
ただ、その役目をあなた1人で背負うのはあまりに荷が重すぎると思います。
宗教に入っている人はときに不可解な言動をしたり、勧誘できると思ったらしつこく勧誘もしてきます。
なので宗教からの脱会を専門としているカウンセラーの方々に連絡をとってみてください。親身に相談に乗ってくれるはずです。
ちなみに私がお世話になった方は、瓜生崇さんという方です。親鸞会とアレフに詳しい方なのでぜひ連絡をとってみてください。
他にもキリスト教系の宗教なら、インターネットで脱会支援をしている牧師さんを見つけることができます。
宗教からの脱会は本当に時間がかかる道のりです。
あなたが疲弊してしまわないように、相談できる人を持っておくと本当に心強いです。
-「地獄に堕ちる」という最後の鎖-
教団の外にも理解者がいて、新しい生きる意味も見つけられた。
そこまでくれば脱会はもうすぐそこです。
そのとき最後の障壁になるのが、「ここを出たら地獄に堕ちるんじゃないだろうか」という不安です。
これに囚われて、未だに宗教に入ったままという人は多いと思います。
ほとんどの宗教では「救われた人は死後天国、それ以外の人は地獄」と教えているので、その教義が脱会するときの最後の鎖になります。
これはどうすればいいのかというと、厳しいですがどうにもなりません。
死んだあとの世界なんて誰にもわからないし、もしかしたらその宗教の人だけ天国に行けるのかもしれません。
それは誰にもわかりません。
私だって、今でも「死んで地獄に堕ちたらどうしよう…」と不安になって涙することもあります。
だからこの不安は一生ついて回ります。
でも逆に言えば、脱会した人が地獄に堕ちるなんてこともわからないのです。
教祖が信者の流出を食い止めて服従させるためにデタラメを言っているだけかもしれません。
死後の世界はないのかもしれないし、あるのかもしれない。
全くわからないことです。
だからその不安と折り合って生きていくしかないと私は思っています。
この事実を受け入れるには相当長い年月が必要ですが、そばに理解してくれる人がいるならそれも可能だと信じています。
あなたの大切な人が「地獄に堕ちる」という不安と折り合って、また人生を精一杯楽しめる日がくる。
そう信じて辛抱強く待つしかないです。
-脱会した後が一番苦しい-
そしていろいろなことがあって、無事に友達や家族が退会できたとしましょう。
これですべて終わったと思うかもしれませんが、本当につらいのはここからです。
まず、宗教から退会したというのは最愛の依存先を失ったということです。
自分の生きる意味で人生の目的だった教えを失い、そして教団の中にいた仲間もすべて失うことになります。
教団からは「あいつは求道に負けた惨めな負け犬だ。大罪人だ。近寄るな」とののしられ、かつての仲間からも敬遠されるようになります。
私が味わったのは、焼け野原に1人で呆然と立ち尽くしているような感覚でした。
すべてを失い、何もなく、虚無の中でただただ孤独になった感覚。
孤独というよりは孤立といったほうがいいかもしれません。
言葉では言い表せないような孤立感と虚脱感で毎日のように号泣していました。
地獄へ堕ちる不安も何度でも押し寄せてくるし、生きる意味を失った虚しさも襲ってきます。
「こんなんだったらまた教団に戻ったほうがマシだ」と何十回思ったかわかりません。
つらすぎてリスカもしました。死のうとも思いました。
人生で一番つらかったし、今もつらいです。
だからこそあなたに伝えたいことがあります。
もし大切な人を本気で宗教から救いたいと思ったら、決してその人のことを見捨てないでください。
中途半端に優しくされて途中で捨てられるのが一番傷つきます。どんなことがあっても寄り添う覚悟がないのなら今すぐ縁を切ってください。
途中で捨てられてののしられるくらいなら、宗教の中で一生を終えたほうがましかもしれません。
それくらい宗教は依存作用が強くて、引き離してもまた依存先を求めてしまいます。
それを知っておいてください。
ですがもしその人があなたにとって本当に大切な人で、どんなことがあっても理解者でいる覚悟があるなら必ず成功すると思います。
時間はかかりますが不可能な道のりではありません。
応援しています!
-おすすめの本-
最後に、脱会支援をするときには正しい知識が必要です。
中でもこの2冊の本は特におすすめなので読んでほしいです。
あなたの大切な人がカルト宗教に依存する人生から抜け出して、いきいきと生きられるようになることを心から祈っています!
PS.
よければ私とInstagramで友達になってくれるとうれしいです。
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IDは @shizuku1644 です!
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